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『カウントダウン・メルトダウン』の船橋洋一氏が中心にまとめた民主党政権の検証。期待通り。「民主党議員は歴代総理をはじめみんなバカで、コドモで、ワガママだった。失敗して当たり前だ。」と切って捨てる論が多い中で、マニフェスト、政治主導、経済と財政、外交・安保、子育て支援、政党、選挙の各分野にわたって、どこが失敗への転換点だったのか、丁寧に分析。『カウントダウン…』同様、論評には何か暖か味のようなものを感じる。失敗だったのだが、これを未来に何らかの形でつないでいってほしいというメッセージなのだろう。おススメ。
牧原出『権力移行』。これは好著。自民党政権誕生から二度の政権交代、民主党政権瓦解まで、その政策決定・実行過程を党―内閣(官房)―官僚機構の力学を軸に平易に解説。省庁再編を経て、今後政権交代をスムーズに実現させるための官僚機構と政治の関係の在り方に論は及ぶ。小泉型「官邸主導」が生まれたプロセスの解析や、官僚機構を内務行政型、大蔵・財務主導型、経済産業政策型の各ネットワークに分類し、各々が盛衰しつつ政策決定過程に関与してきたとする分析は面白かった。筆者の言うよう、無益なバッシングとアマチュア的評論を離れ、国益にかなう公務員制度の設計がされてほしい。しかしNHKブックス、売り方が下手すぎるだろ。書名も煽りも芸なさすぎ。
半沢直樹を見ていたら、ヨメが「上戸彩ちゃんが家にいたらいいだろうねえ」というから「そうだよねえ」と答えたらムッとした。だったら聞くなよ。確かに心の底からそう思ってましたよ、何か?
それはともかく池井戸潤『シャイロックの子供たち』。銀行のある支店をめぐる連作短編集で、登場人物それぞれの視点から銀行内のさまざまな事件を描く。途中から、百万円紛失をめぐって物語はミステリー色を帯びていく。しかし、この作品のもうひとつの側面は「家族」だ。出世欲と保身の渦巻く(と描かれている)銀行。しかし、それぞれの行員は、みな家族を「背負って」いる。その家族の行員への向き合い方もさまざまなら、背負う行員の「背負い方」もさまざまだ。しかしながら、みんな「背負って」いる。銀行員だけでなく、サラリーマンなら、家族を背負うものなら、泣けるなあ。
言わずと知れた直木賞。ラブホテル
をめぐる七つの短編集。世の中には強い人間と弱い人間の2種類し
かいないんじゃないかと時々思う。その弱い人間が、なぜか心の奥
底から強くて熱いものを掘り出してしまう。その「装置」としてラ
ブホテルが描かれているように思えた。ラブホテルってそんな場所
だったか。うーむ…。
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