鴻上尚史『コミュニケイションのレッスン』(大和書房)
これはツボにはまった一冊。
「聞く」「話す」「交渉する」というコミュニケイションの「技術」について書かれた本だが、筆者はまず日本における「世間」と「社会」の二重構造を指摘する。
自分と利害・人間関係がすでに(または将来)ある「世間」と、そうでない「社会」。その場が、「世間」なのか「社会」なのかを正しく認識し、意識して行動することがコミュニケイションの技術向上の出発点と説く。
「聞く」「話す」「交渉する」というコミュニケイションの「技術」について書かれた本だが、筆者はまず日本における「世間」と「社会」の二重構造を指摘する。
自分と利害・人間関係がすでに(または将来)ある「世間」と、そうでない「社会」。その場が、「世間」なのか「社会」なのかを正しく認識し、意識して行動することがコミュニケイションの技術向上の出発点と説く。
伝統的日本企業で受け継がれてきた「世間」的人間関係。筆者はそれが近年“中途半端に壊れて”きており、さらにメールやSNSの浸透がコミュニケイションの形態を変質させつつあると分析する。
私のように極めて「世間」的、内向きな「場」でコミュニケイションすることの多い人間には、改めて考えるヒントに満ちている。
それにとどまらず、演出家鴻上尚史氏ならではの、会話するときの身体、声の使い方などのレッスンもさすが。ビジネスだけでなく、日常のあらゆるコミュニケイションに、お役立ちの一冊
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