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2014年9月

2014年9月28日 (日)

アンディ―・ウィアー『火星の人』 (ハヤカワ文庫SF)

これはおススメSF。

火星に取り残された宇宙飛行士。彼がたった一人で、残された飛行船などのわずかな資源を頼りに、生き残りに挑む。例えば、火星でジャガイモをつくるのだ(ほんとかよ)。

状況が好転すればそのたびアクシデントに見舞われ、何度もピンチに陥る。しかし彼は明るくユーモアたっぷりで、あくまで前向きで楽天的。科学的なディテイルも緻密で600ページに及ぶ長編だが、軽妙な訳もあり、最後まで手に汗しながら「がんばれ」と声援を送り続けた。



2014年9月21日 (日)

千早茜『男ともだち』(文藝春秋)

不思議な感覚である。

恋人と同棲しつつ、医者の愛人ともつきあう主人公神名。そこに現れる大学時代の男ともだち、ハセオ。

神名は、戦場に行くとしたら、“恋人は私の心配ばかりしておろおろしそうだから連れていけない。愛人はなんだかんだ裏切りそうで嫌。でも、ハセオだったらいい、と思える。あの男だったら背中をまかせられる。そんな感じ”と語る。
友人美穂は、そんな神名を“女ともだちより男ともだちに守ってもらいたいって時点で、やっぱりずるい”となじる。

それは“ずるい”関係なのか。奪ったり奪われたりするのでない男女の関係。作者はそれを丁寧にかつ洒脱に描写していく。

わかるような、わからないような。このような感覚は、世に実在するだろのか。私を疲れた日常から遠いところに放り出してくれた一冊。とても興味深く、新しい。


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