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2013年11月

2013年11月28日 (木)

植松三十里『黒鉄の志士たち』(文芸春秋)

中2の息子がいち早く読み終わった。興奮して言う。

「魂。魂を感じたよ。日本人の魂だよ。」

知ったような口を聞いて、と思って読んでみたら、本当に「魂」だった。
幕末、欧米列強の脅威にいち早く気付いた佐賀藩、鍋島直正が鉄製大砲製作のために反射炉建造を志す。頼りは一冊の蘭書。刀鍛冶から鋳物師まで藩内の知を動員して試行錯誤を繰り返すが、成果が上がらない。
しかし直正は、志を示し、チームを鼓舞し、鉄の意思で成功に導く。そのリーダーシップと支えたメンバーの「魂」は感動、感動である。

「反射炉」は我が韮山が本家と思っていたが、佐賀が先駆だった。江川坦庵公も劇中たびたび登場し、韮山で佐賀藩と盛んに交流する。世界遺産の暫定リストに、「明治日本の産業革命遺産-九州・山口及び関連地域」があり、飛び地で韮山が入っている。「なんだそりゃ」と思っていたが、この話を読むと納得。韮山は九州とつながっていたのだ。

再度言う。この本には日本の魂がこもっている。不屈の闘志をもってモノづくりに命を懸ける。その魂さえあれば、日本は、まだ大丈夫だ。

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